旅×自転車 記事

【新型コロナ】感染リスクがない環境での運動としてのサイクリングで徹底すべきこと

(5月4日、全国の緊急事態宣言が5月31日まで延長されました)

新型コロナウイルス対策で外出自粛の呼びかけが強まる一方で、運動不足の心配も高まっています。

こんな時こそ、運動不足を防ぎ、心身の健康を保つためのサイクリングに、改めて目を向けてみましょう。

〇関連記事

運動に対する国の見解

4月8日、スポーツ庁の鈴木大地長官は記者会見で「家の中にこもりきりだと、メンタルヘルスにも害が及ぶ可能性がある」とし、「感染のリスクがない環境での運動、ジョギングのような活動は行っても問題ない」と発表しています。

また、ここでいう、「感染のリスクがない環境」とは、「三密(密閉、密集、密接)を可能な限り避けること」と回答しています。

 

感染リスクがない環境での運動にサイクリングは含まれるか

国の見解を踏まえ、感染リスクがない環境でのサイクリングを考えてみましょう。

前述のとおり「感染のリスクがない環境」とは「三密(密閉、密集、密接)を可能な限り避けること」とするならば、開かれた道路空間を走行するサイクリングは、単独で止まらずに走っている分には、限りなく三密を避けた運動といえるでしょう。

このことから、次に示すをことを徹底するならば、「感染のリスクがない環境での運動」にサイクリングも該当すると考えてよいでしょう。

 

この状況下でのサイクリングで徹底すべきこと

この状況下において、運動不足を防ぐためのサイクリングを行う際に徹底すべきこととして、国によるガイドラインは示されていません。

これに対し、5つのスポーツバイクショップで構成され、日本の自転車文化向上に向けたアプローチ活動を行う民間団体である「eels(イールズ)」は、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言下におけるサイクリングのガイドラインを、4月8日に発表しています。

ガイドラインの詳細については、公式ウェブサイトをご覧ください。

この「サイクリングを楽しむ際のガイドライン」では、主として次のことが示されています。

 

COVID-19に対する基本的な考え方

すでに自分自身が新型コロナウイルスの「無症状病原体保有者」かもしれないという意識を持ち、「感染しない」ではなく誰にも「感染させない」という意識のもと行動しましょう。

〇緊急事態宣言の対象区域が全国に拡大

4月16日、緊急事態宣言の対象区域が全国に拡大されたことを受け、国民一人ひとりが、これまで以上に次のことを守るようにしましょう。なお、5月4日、全国の緊急事態宣言が5月31日まで延長されています。

 

〇「三密(密集、密閉、密接)」を避けること、大声を出さないことです。
これまで以上に、徹底して取り組んでください。

〇「人との接触を8割減らす」ことです。
例えば、人と会う時は、近い距離で会う人が一日に10人だった場合、2人までを目安にしてください。

〇やむを得ず人に接触するような外出は、一日に1回程度が目安だとお考え下さい。
不要不急の外出を避け、食料品の買い出し、通院、行く必要のある仕事程度にとどめてください。
お一人での散歩やジョギングは、問題ありません。運動不足にならないように注意して下さい。

以上の基本的な考え方のもと、この状況下において、運動不足を防ぐためのサイクリングを行う場合、次に示す①~⑥を徹底するようにしましょう。

 

①ソーシャルディスタンスを確保する

自分と他者との物理的な距離であるソーシャルディスタンス(1.8m)を確保し、他者との接触を極力避けるようにしましょう。

※ガイドラインでは1.8mと示されていますが、5月4日に専門家会議で示された「新しい生活様式」では2mが推奨されています。

 

②ソロ(単独)で走る

ソーシャルディスタンスを確保する為に、グループライドを避け単独で走りましょう。

 

③適度な負荷で走る

高負荷でのサイクリングは体力の低下、免疫力の低下、そして事故のリスクに繋がります。

適度な負荷での60分から90分程度のサイクリング、距離にして50km程度が推奨されています。

 

④医療機関への負担を抑える

サイクリング中のケガにより医療機関に負担をかけることは絶対に避けましょう。

よって、危険が伴うようなライドはやめましょう。交通量が多い場所や下り道などは避け、安全に走りましょう。

 

⑤室内で走る

サイクルトレーナーを使用して室内で安全に走ることは一番安全であると言えます。ただし、室内の換気は忘れずに。

 

以上がガイドラインに示された主な事項です。

これ以降はガイドラインに示されていませんが、三密(密閉、密集、密接)を避けるために、その他に心がけるべきこととして考えられることです。

 

⑥その他に心がけるべきこと

サイクリング中にお店などに立ち寄らない

あくまで運動不足を防ぐことが目的とすると、なるべく人に会わない、近寄らない、他の人が触れた可能性のあるものには触れないようにすることが重要です。よって、休憩でお店などに立ち寄ることは避けるようにしましょう。

そのためにも、ボトルの水や補給食をきちんと持ってからサイクリングに出かけるようにしましょう。

参考までに、1時間程度のサイクリングでの消費カロリーは300~600kcalほどです。

 

サイクリング中の飛沫拡散防止を図る

サイクリング中に自らの飛沫拡散を防ぐためにも、路上で鼻をかんだり、つばを吐かないようにしましょう。必要な場合は自転車を安全な場所に停めてティッシュを使うようにしましょう。また、使用したティッシュは袋に入れるなどして責任をもって持ち帰りましょう。

また、飛沫の拡散を防止するためにはマスクを着用することが有効です。

 

人が集まりやすいコースや空間を避ける

他の人と接触しないよう、歩行者やサイクリストが集まりやすいサイクリングロードや、人がいる歩道(自転車歩行者道)など、人が集まりやすいコースや空間はできるだけ避けるようにしましょう。

 

他者のスリップストリームにも気を付ける

単独でサイクリングをしていても、信号待ちなどでは他のサイクリストに出会うことがあると思います。その場合は、できるだけ他のサイクリストから距離をあけ、前方のサイクリストと同じ列になることを避けて走行するようにしましょう。

 

参考として、ベルギーとオランダの共同研究では、他者のスリップストリーム(移動する人の背後にできる空間)での飛まつ感染の可能性を指摘しています。他者のスリップストリームにおいて、静止している状態での1.5mのソーシャルディスタンスを確保している状況と同様の効果を得るには、4.0km/hの歩行速度で約5m、14.4km/h(1kmあたり4分10秒のペース)のランニング速度で約10mの間隔をあける必要があるとしています。

ただし、この研究結果は向かい風、追い風、横風などを考慮していないことと、査読(第三者によって学術的に正しいか等を審査すること)されたものではないことに留意してください。
>Towards aerodynamically equivalent COVID19 1.5 m social distancing for walking and running

 

各々の状況を踏まえた判断を

以上、運動不足を防ぐためのサイクリングで徹底することを書かせていただきましたが、根本的に大事なことは「外に出ないことがもっとも安全である」ことです。

新型コロナウイルスの感染状況は地域によって異なります。それぞれに置かれた状況を踏まえた上で、国民のひとりとして、サイクリングを愛するひとりとして、正しい判断と責任を持って行動をするようにしてください。

(本記事は5月4日時点の情報です)

サイクリングを行う際には、自転車の交通ルールを守りましょう。詳しくは以下の記事をご覧ください。

(以上)

新型コロナウイルスに関する情報

〇都道府県別の新型コロナウイルス関連情報のWEBサイト

お住まいの都道府県の新型コロナウイルス関連の情報を探したいときや都道府県別の相談先電話番号を知りたいときは、こちらにまとめられています。

 

〇新型コロナウイルス感染症対策|内閣官房

政府の新型コロナウイルスへの対策の最新情報や、都内や7都府県の人の流れの減少率などの最新情報が掲載されています。

 

〇新型コロナウイルス感染症お役立ち情報|首相官邸

困りごと、不安に応じた支援情報などの最新情報が掲載されています。

 

〇新型コロナウイルスの更新情報|厚生労働省

健康・医療の観点から新型コロナウイルスに関する最新情報(国内の感染者数など)が掲載されています。

 

〇コロナ専門家有志の会

専門家の有志により立ち上がった情報サイトで、国民の全世代に「秒で理解、秒で拡散」してもらうための情報が掲載されています。

  • この記事がいいねと思ったら
    •  0
  •   この記事のご感想はユーザーのみなさま
  • サイクリングレポート(記事下部)
    サイクリングレポート(記事下部)
    編集部おすすめ
    ランキング