【愛媛県】やわたはま散走の参加レポート|まるごと町並みサイクリングツアー
全国で取り組みが広がっている「散走」ツアー。
今回は、愛媛県八幡浜市の地元の方々が主催となって行われた「やわたはま散走」の参加レポートをご紹介します。
散走とは
「散走」とは、散歩感覚で自転車を走らせ、その場所、その時間ならではの出会いや発見を愉しむひとつのスタイルです。自転車パーツでも有名な株式会社シマノが運営する「ライフクリエーションスペースOVE」が提案する楽しみ方です。
ポタリングなどのサイクリングイベントとの違いは、より文化やモノ、ヒトとのつながりや触れ合いに重きを置いていることです。また、一過性のイベントではなく、地域の方が主体となって参加し文化を発信していくことを重視している取り組みで、全国各地で定期的に開催されています。
やわたはま散走の参加レポート
愛媛県八幡浜の近代遺産や自然、そして美味しいグルメを堪能する散策。
道の駅みなとオアシス「八幡浜みなっと」を出発し、歴史と産業のまち保内へ向かいます。


四国発の紡績工場「旧東洋紡績赤レンガ倉庫」や、昭和初期に架けられた「美名瀬橋」などが残るレトロな「もっきんろーど」は押し歩きで。
雨井地区は船乗り、海運業の町として栄えた港町。青石で築かれた石垣には、灯明台が埋め込まれています。
菊池庸夫邸(西のおやけ)は海運業を営んでいた家。

1937(昭和12)年に建設された、国登録有形文化遺産である「内之浦公会堂」は、西洋建築を意識した造り。内部の天井・柱には太平洋戦争中のグラマン機による銃撃の跡が残っています。
ここでは八幡浜が発祥で、1日6,000個も売り上げることもある「パンメゾン」の焼きたての「塩パン」と、地元の柑橘を使った「浜っ子作業所」のゼリー「みかんのジャグチ」、そして八幡浜市役所水産港湾課からいただいた手ぬぐい(非売品)のお土産をいただきました。
塩パンは、表面がカリっとしつつ中はモチモチでやみつきの美味しさでした。
つづいて向かったのは、19世紀(明治時代)に建てられた左右対称の「旧白石和太郎洋館」。建物全体に見事な細工が施されていて、当時の高い美事な左官・大工技術をうかがうことができます。
日土小学校は、2012年に戦後の木造建築としては初めて国の重要文化財に指定された学校です。

保内町指定記念物の「柳谷銅山製錬所跡」では、当時スラグが捨てられた跡がいまも残っています。
近くには、八幡浜名産の柑橘の木も。
八幡浜市を近代遺産や自然を楽しんだら、地元の新鮮な魚を堪能できる「海里」へ。
散走を通じて、八幡浜市の歴史とヒトとモノに触れた一日となりました。
「やわたはま」まるごと町並み散走を体験したいと思った方は、「道の駅みなとオアシス八幡浜みなっとみなと交流館」に、サイクリングマップやレンタサイクルが用意されていますので、ぜひ楽しんでみてください。
なお、今回の散走は、サイクリングを通して子どもたちが抱えている社会と教育格差の認知度を上げ、支援を必要としている子どもたちを応援する「サイクリングフォーチャリティ」応援プロジェクトの一環で行われ、参加費の一部は地元の児童養護施設に寄付されました。
(執筆:クリス)