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【北海道】ニセコクラシック2019レポート 後編|サラリーマンロードレーサー クリスの奮闘記#8

2019年7月6日(土)~7日(日)、北海道のニセコ町にて「ニセコクラシック2019(Niseco Classic)」が開催されました。

前編につづき、「サラリーマンロードレーサー クリスの奮闘記」の後編としてレースの様子をお届けします。
>>ニセコクラシック2019レポート前編

7/7(日)朝4時起床

レース当日の7月7日(日)。自分が出場する19~34歳の部のレーススタートは6:35。

レースのセオリーとして朝食はレース開始の3時間前。それだと早いので4:00に起床しました。

朝食のメニューはいつものように、おにぎり、コーンフレーク、あさり汁、納豆、バナナ、パンetc。炭水化物を中心にお腹に詰め込んでいきます。

そして、今回レースを共にした友人のパミはというと、パスタ1つだけ。果たして大丈夫だろうか・・・?

朝食を済ませたら、ウェアに着替え、アップをかねて自転車で会場へ。昨年は雨模様でしたが、今年は天気が良さそうです。

会場には5:15頃に到着。背中に補給用のゼリーを20本用意し、出走サインなどを済ませて、レース開始まで会場で待機!昨日お世話になった会社の同僚・杉さんや成毛さんはじめ、いろいろな方と話をしました。

かつて北海道時代に幾度となく戦った戦友・織田夫妻とも久しぶりの再会。調子が悪いなんて言ってましたが、あれはウソでしたね。笑

6:35 レーススタート!

「10seconds to go」

スタート10秒前告げるアナウンスの後、ざわつく会場に一瞬静寂がおとずれた6:35。号砲とともにレースがスタート!

カチャカチャッ!とビンディングシューズをペダルにはめ、選手たちは下り坂のホームストレートを一斉に下っていきます!

ロードレースでは最初の数kmの間は「パレード走行」。その名のとおり、選手がまとまってパレードのようにゆっくり走ります。沿道の観客の応援に応えたり、まちなかでの事故を防ぐ等のためです。

このときに一番怖いのが自転車の転倒、すなわち「落車」です。少しでもリスクを減らし、体力を温存するためにも集団の前方に移動していきます。

今年のパレードは比較的ゆっくり進み、また早めのリアルスタートとなりました。直後に数名がアタック(スピードをつけて集団から飛び出すこと)。優勝候補の選手が抜け出しを図ってましたが、そのほかの有力選手が動いていないためここは静観。

なんせ今レース、調子は悪くないもののそもそも練習不足のため、余計な体力を使うことはできません。

しかし困ったことに、15km地点から始まる長い下りのセッションで、恐怖からスピードを抑えて下った結果、抜かされ抜かされ・・・。相当順位を落としてしまいました。

坂を下りきるとそのまま上り坂に突入するのですが、もちろん先頭集団の姿は見えません。次のダウンヒルセッションまで約5km、それが終わるとそのまま一つ目の難関 神仙沼KOMに突入します。

つまり、この5kmの間に先頭集団に戻ることができなければ、二度と先頭に戻ることはできずレース終了=世界選手権もアウトな状態でした。

そのため、普通に生活ではまず経験することがない程の苦しさ。最大心拍数は180bpmをマークし、視界が薄れて走馬燈が見えそうでしたが、それでもなんとか先頭集団復帰。

しかしその代償として、ここでかなり脚を疲労してしまうことになりました。

30km地点を過ぎ、ニセコアンヌプリ・パノラマラインに突入するとにわかに集団が活性化し始めました。それでも今年は昨年に比べてスローペースでした。

神仙沼KOM(=King Of Mountain:峠の頂上に設けられる山岳ポイント)までは約15kmの峠道。しかしながら、その1/3の5kmほど走ったところで集団から脱落。調子が悪いといっていた織田選手は「キツイね」と言いながら先頭集団へと上っていきました・・・。

一方、自分はオールアウト(力を出し切った状態)しそうだったのでマイペース走行に切り替えること。

しかし、峠区間を2/3ほど消化したところでも先頭集団は視界に入ったまま。そこまでペースアップがかかっていない様子だったので、もう少しがんばれていたら集団に残れていたことを思うと悔しさが残りました。

それでも、下り&平坦区間で先頭集団に追いついたことがあったので、その可能性を信じて第2集団を走ることに。同じ集団にいた北海道の林選手とそんな話をしながら、集団を見渡すと人数は30名~40名ほどか。しかし、残念ながらパミや杉さん、成毛さんはいない様子でした。

神仙沼KOMの長い長い下りで、ようやく感覚が戻ってきて速度を落とさずに下れるようになったことは幸いでした。

峠を下りきると最初のフィーディングゾーン、すなわち補給地点です。

ボランティアスタッフの方々が、スポーツドリンクもしくは水が入ったボトルを手に持って歩道にずらりと並んで立ち、選手は自転車に乗りながらボトルを受け取るのです。

今日は気温が高いので絶対に受け取らなくてはなりません。みんな必死です。

なんと、偶然にも毎年スタッフに参加している大学の恩師 高橋先生が目の前に!念願だった先生からの水を受け取り、レースは順調に進めていくことになりました。

しかし、集団にそこまで活気がない様子で、残念ながら先頭に追いつく可能性は低そうでした。自分の体力も鑑みて、体力を使うのはここではないと判断し、後方でひたすら体力回復を図ることに。数分おきに補給用ゼリーと水分を摂取し、脱水症状や筋肉の痙攣が起きないよう、細心の注意を払います。

気温が高いので、頭部や脚部に少しずつ水をかけて体温を下げることも重要です。

85km地点。尻別川を河口まで下りきりニセコ方面へ180°進行方向が変わると、一転して強烈な向かい風に。そのまま集団では動きがないまま、100km地点に。ここからは2つ目の難関 新見KOMの上り坂が始まります。

まだまだ集団が大きいので、この集団の先頭に残らなければ世界戦への出場権は厳しいように思えました。したがって、出場権をかけた勝負はここから始まる、と改めて気を引き締めます。

峠道では先頭付近で一定ペースで走るほうが楽。何回か集団から飛び出しを図る選手がいますが、周りの選手も飛び出した選手も余力があまり残っていないのか、大きな動きにはなりませんでした。

自分にとって鬼門の下り坂も遅れることなく、122km地点の上りセクションに突入!

個人的にはここが勝負所と考えていたので、先頭でほんの少しだけペースを上げて走ります。5kmほどの上り坂を終えると、集団は10~15名程に。意外と人数が残っていたことに焦りつつ、最後の下りを終えてゴールまで10kmの看板を横目に、最後の上り坂に突入です。

途中、RCC(ラファサイクリングクラブ)のジャージを着た選手が驚くほどの力強さでアタック、そのまま視界から消えていきました(あとから元プロの三船選手だったことを知りました。納得です。)。

まだ世界戦出場権の瀬戸際だと感じていたので、できるだけ人数を絞れるよう、上りでペースアップを試みましたが、10名程の集団のまま最後の平坦セクションを迎えることになりました。

残り2km地点で北海道のDOKYUチームから平田選手が高速アタック。あれは速かった…。追いつけそうもありません。

そのまま集団でいけばよかったものの、残り800mで早がけしてしまい、完全にタイミングを間違えました。

最後は数名に抜かれてながら力尽きてフィニッシュ。先頭から13分遅れの3時間48分44秒でのゴールでした。

レースリザルト

結果は年代別(19~34歳クラス)で27位/165人。19歳~34歳のカテゴリでは、世界選手権の出場権は上位25%=上位42位まででしたので、無事に出場権は獲得することができました!

結果は決して十分ではないのですが、限られた練習時間の中では十分な結果だったのかと思います。また、序盤の勝負どころで自分に負けずに集団に残れたことを考えると、今日の結果は納得できるものでした。

また、今年は高温だったにもかかわらず、最後まで脚が攣りそうで攣りませんでした。会社の同僚・杉さんおススメの「Mag-on」エナジージェルが効果的だったようです。ともに戦った杉さんは残念ながら68位。世界選手権の出場とはなりませんでしたが、来年に期待です!

そして、パミは…残念ながら91位という結果。曰く、朝食と補給食が不足していたそうです。

レース後は

完走賞および世界戦出場権のメダルの受け渡しが始まるまでは、会場内の飲食店でのんびり時間を過ごしました。

今回、レース前から、レース中、そしてレース後にプライベート・仕事関係問わず、たくさんの方からお声をかけていただけました。北海道時代の時間が戻ったようで、とても嬉しいものでした。ありがとうございました。

そして、レース中にボトルを補給していただけた高橋先生とその研究室の皆さんにもご挨拶。来年もぜひよろしくお願いします。

こうしたイベントやレースは、大会運営の方々の尽力や地域の方々等の協力のおかげで成り立っています。レースを走らせてもらっている立場として、常に感謝の気持ちを忘れてはいけません。

会場を後にして、近くの日帰り温泉でサッパリしたら、レース後のお楽しみであるアイス!空港では〆のラーメン!パミは30分早い便でお別れとなり、自分たちも自宅に帰ったのは24:00過ぎ。

こうして長い長い1日を終えたのでした。

本レースを通じ、たくさんの応援を頂きました。また大会運営に係るすべての方々に感謝いたします。ありがとうございました!

世界選手権は9月1日(日)にポーランドのポズナン(Poznan)で開催されます。お楽しみに!

▲世界選手権はポーランド最古の都市ポズナン(Poznan)で開催

サラリーマンロードレーサー クリスの奮闘記シリーズ

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(執筆:クリス)

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